月に一度、礼法のお稽古をしています。
暮らしに生きる礼法とは別の、小笠原流礼法の教室です。
先日行われたお稽古で、先生からの投げかけで、各自「おもてなし」についての考えを、体験を交えながら話すことになりました。
その時に話したこととは少し違いますが、今思うことを少しお話したいと思います。
ひょっとしたら以前にも同じような話を書いたかもしれないのですが、、、
(長い間書き続けているので、いつ何を書いたか、すべて覚えてはいませんが、なんだかそんな気もします。)
もてなすとは、持って成す、、、
お客様に御馳走をふるまって心から歓迎することです。
遠路はるばるお越しいただいたお客様に心づくしの御馳走をし、楽しんでいただくのは、どこの国も共通したこと。
人によって差はあれ、日本人に限らず世界中どこでも同じなのではないでしょうか。
かつてホームステイしたアメリカの家庭では、
皆仕事を持ち忙しいにも関わらず、私と娘のために歓迎の夕食を皆で協力して作ってくれました。
留学生のホストファミリーをしていた関係で、アジアの人たちとの交流も多かったのですが、
留学中の彼らの家に招かれると、いつも心づくしの料理をふるまって歓迎してくれたものです。
中国の留学生と交流していた友人が、本国の両親に招かれ、下にも置かないもてなしを受けて帰ってきたこともありました。
もてなし、ホスピタリティーは日本人特有のものではありません。
「持てなしの国、日本」を標榜するのなら、私たちがするべきことは他もあります。
たとえば駅の表示やレストランのメニューをを外国の人たちにもわかるように書き換える、
地下鉄やバスの割引切符を充実させる(ロンドンでは1週間乗り放題の割引チケットがあり、大変便利に使わせてもらいました)、
宗教的な配慮をした食事を提供するレストランが数多くある、等々、
「もてなす」の本来の意味とは少し離れるかもしれませんが、
外国の方たちがさほど不自由を感じることなく、日本での滞在を楽しめるようにすること、
それこそが、本当の意味でのもてなしだと、私は考えます。